HOME

>

導入事例

>

京王プラザホテル 様

導入事例

2026/10/9

京王プラザホテル 様

世界中のゲストの「本音」に耳を澄ませて、『誇れるホテル』へ。京王プラザホテルが紐解く、口コミには書かれない旅の全体像と、おもてなしの進化

1971年の開業以来、新宿の超高層ホテルの先駆けとして、国内外のゲストを迎えてきた京王プラザホテル。いま、宿泊されるお客様のおよそ8割は、海外から日本を訪れた方々です。館内を歩けば、世界中から集まったゲストの言葉が行き交います。

そんな同ホテルが、全1,453室の客室のお客様アンケートを「ホンネPOST」へと切り替えました。それまで客室に置かれていたのは「イエローレター」という紙のアンケート。長きにわたってお客様の声を受け止めてきた仕組みです。

ホンネPOSTへの切り替えを経て届いたのは、滞在中のリアルな声だけではありませんでした。どんな旅程の途中でこのホテルを選んだのか、どんな経路で予約に至ったのか——これまでOTAの口コミにもイエローレターにも書かれることのなかった「お客様の旅の全体像」まで見えてきたのです。

今回は、導入の背景から社内に生まれつつある変化まで、営業戦略室の庄子様と町田様にお話を伺いました。

左から庄子さん・町田さん

課題・目的

・紙での回収から転記、共有まで時間がかかっていた
・宿泊者の約8割が海外ながら、届く声は国内が大半だった
・集まった声を、サービス改善に活かしきれずにいた

導入の決め手

・設問設計からデザイン・現場導線、分析・報告まで一気通貫の伴走
・形式的な調査では出てこない、お客様の本音が引き出せる

効果

・毎朝の通知で、現場も本部も同じ声を翌朝には共有できるように
・届く声の7割が海外ゲストからの投稿に
・選ばれる理由や比較先など、顧客心理のディテールが深く見えてきた
・現場の肌感覚が「確信」に変わり、改善の質とスピードが上がった

海外ゲストが約8割、でも届く声は9割が国内から。長年の「紙のアンケート」が抱えていた課題

― ホンネPOST導入以前は、お客様の声をどのように集めていましたか。

庄子様:「イエローレター」という紙のアンケートを、長らく客室に置いていました。私たちが入社する前から続いているもので、中身は多少見直しながらも、ずっと紙で続けてきたんです。

回収は人が行って、手で打ち込んで共有する。ただ、日々忙しい中でどうしても優先順位が下がってしまい。チェックアウト後に回収してから、社内システムで入力が終わるまでに時間がかかり、長いものでは数か月のラグが発生してしまうという状態でした。

もう一つ気になっていたのが、集まる声の内訳です。京王プラザホテルは宿泊者の比率が国内2に対して海外8くらいなんですが、イエローレターで回収できるのは国内9・海外1くらい。実態とは少し違う姿になっていました。

町田様:社内ポータル上で誰でも見られる状態にはなっていたのですが、そこから具体的な改善につなげるためのオペレーションに手が回らなかった。分析・改善に向けて専属のスタッフもいませんでしたので、共有できるのは「こういうコメントがありました」「こういう点数でした」というところまでで、結果として活かしきれていませんでした。

― お客様の声を、次の判断につなげたいという課題感があったのですね。

庄子様:そうですね。商品やサービスをつくる立場になると、もう一歩欲しくなるんです。どうしても「これが今のおすすめです」という形で進みがちなのですが、そこに本当にゲストのニーズはあるんだろうか、と。つくって、提供する。そこまでは自分たちで完結できるのですが、では受け取ったゲストがどう感じたのかを知る経路がありませんでした。提供する側からの一方通行で終わってしまっていたんですね。

毎年続けている施策で「来期はこうしよう」と決める時にも、「なぜそうするのか」を説明する材料が、経験や肌感覚に頼りがちになってしまう。もう一段、客観的なものが欲しいと思っていました。

新宿と八王子のトライアルで見えてきた、お客様の「泊まる理由」と競合の実態

― ホンネPOSTを知ったきっかけと、決め手になったポイントを教えてください。

庄子様:きっかけは、京王電鉄のオープンイノベーションの取り組みの中でご紹介いただいたことでした。まずは導入設計から分析・フィードバックまでサービスが一気通貫しているというのが、非常に良かったです。

はじめに導入目的と活用・ゴール設定といった上流設計を丁寧にヒアリングしていただき、そこから設問設計、案内資材のデザイン制作、運用オペレーションへの落とし込み、終わった後の分析レポートとフィードバックMTGまで。ここまで一貫した内容、かつ「このパッケージでいくらです」と明確に示されている分かりやすさに、大きな魅力を感じました。

これまで他の調査会社に依頼したこともありましたが、選択肢の集計による定量調査が中心で、お客様一人ひとりの体験エピソードを自由記述から読み解いていくアプローチは、基本的にはありませんでした。グラフは分かりやすいのですが、なぜそう感じたのかという背景までは読み取れず、「で、結局どうすればいいんだっけ?」と次に活かせないことも多かったんです。

印刷やお客様への配布方法も基本はホテル側任せでしたが、その点ホンネPOSTは、「どのようなタイミングで、どんなご案内をすると声が集まりやすいか」というところからアドバイスをいただけますし、親しみやすいデザインやコピーも一緒に作ってもらえる。お客様の本音を引き出すための現場設計から、ご一緒できるのが違いだと感じています。

💡 「答えさせる」のではなく、「語ってもらう」ための導線設計

選択肢式のアンケートは、思考の負担を強いるぶん、無難な回答に寄りがちです。ホンネPOSTが集めるのは、一人ひとりの視点で語られた顧客体験の言葉や物語(ナラティブ)です。デザイン、コピー、現場での渡し方までひとつづきに設計することで、「言いたい」という動機を引き出します。そうして語られた言葉から「なんとなく」の理由を文脈ごと読み解き、選ばれる理由を可視化します。

― まずは新宿と八王子で、宿泊者向けに2か月のトライアルから始まりました。

町田様:京王プラザホテル八王子では、イエローレターだけでは分からなかった「お客様の滞在目的」が明確になりました。

「なぜうちを選んで泊まってくださっているんだろう」というのは、現場の実感としてぼんやりとはありましたが、確信はなかった。それが、高尾山への登山目的で滞在する方が一定数いる、など、目的別のまとまりで複数のパターンが見えてきた。個別の声ではなく、一定の傾向として掴めたのが大きかったですね。

もう一つ知りたかったのが、八王子というマーケットで当ホテルがどう位置づけられて選ばれているのか、ということでした。滞在中の感想だけでなく、滞在先を選ぶ際に「どのエリアを検討していたか」という設問も組んでいただいたことで、比較の相手が八王子市内に限らず、例えば立川エリアのホテルも検討していたことが分かった。商圏の捉え方そのものを正確に把握するためのきっかけになりました。

京王プラザホテル八王子【公式】

― 声をきっかけに、すぐ改善につながった事例もあったと伺いました。

町田様:アメニティですね。それまで、社内で議題に上がったことはなかったのですが、多くの方から「客室にドリップコーヒーが欲しい」というお声をいただいて、すぐに導入しました。コロナの時期にアメニティを一度整理していますので、その流れかもしれません。

庄子様:同じ時期に、クリスマスケーキの購入者向けや、47階の「SKY PLAZA IBASHO」の利用者向けでも実施しました。

クリスマスケーキで印象に残っているのが、生クリームです。調理担当者からも「生クリームには特にこだわっている」と聞いていたのですが、実際に届いた声でも、多くのお客様が生クリームに触れて評価してくださっていました。つくり手のこだわりが、そのままお客様の評価として返ってきていて、事務局の私たちもその温度感を実感できました。

こういう定量化しづらい顧客ニーズが明らかになるのは、現場にとっても事務局にとっても大きいと思います。

こうして様々なシーンで活用する中で有効なデータが集まり、現場の反応も良かった。フィードバックの時間には現場担当者にも同席してもらって、お客様の声と、そこから見えてきたことを共有できたのですが、そこの反応が良かったですね。自分たちがつくったものに対してお客様がどう感じたのか、普段は触れる機会がありませんから。

京王プラザホテルのクリスマスケーキ 本日10月1日より、2025年のご予約を開始しました。大切なひとときを彩るケーキを、豊富なラインナップからお選びください❄  URL: https://www.keioplaza.co.jp/event/pages/xmascake2025/ Christmas Cakes  at Keio Plaza Hotel Tokyo ...

京王プラザホテルのパティシエが贈る、伝統と革新が息づくクリスマスケーキ。

京王プラザホテルのイチオシ紹介 - 宿泊予約は<じゃらんnet>

47階「SKY PLAZA IBASHO」

全客室1,453室への本導入。海外ゲストが語る、滞在の前後も含めた旅のエピソード

― トライアルを経て、新宿の全客室への本導入に踏み切られました。集まっている声はいかがですか。

町田様:「旅の行程」を聞く問いを入れているのですが、想像以上に海外のお客様がよく書いてくださるんです。例えば「10日間の旅で、まず東京に3泊する。日本は初めてで、このあと箱根と京都に行く」といった感じで。ホテル滞在中の感想だけではなく京王プラザホテルでの滞在が、どんな旅の中にあったのか、お客様自身の言葉で書かれている。

これはイエローレターでは出てこなかった情報です。ホテルそのものへのご指摘であれば、OTA(旅行商品を検索・予約するサイト)の口コミにもあります。でもホンネPOSTでは「私はいま、1週間の旅をしています。その中でこのホテルは…」といった、自分の旅を自然体で語ってくれる。お客様の旅全体の中で、当ホテルがどこに位置づけられているのか。それが見えてくることには、大きな意味があると感じています。

― 滞在中の評価だけでなく、その前後まで見えてくる。これは戦略にどう効いてくるのでしょうか。

町田様:予約経路についても同じことが言えます。ホテルの予約経路は多層で、システム上のデータでは、直接取引のある旅行会社までしか分かりません。その手前で誰がどう販売し、お客様がどこで当ホテルを知って選んだのかは、把握できない構造になっています。

ところが実際の声を読んでいくと、トラベルアドバイザーを介して、移動手段まで含めた旅程の中で当ホテルを指名いただいたケースが出てくる。海外の富裕層にそうした経路が多いとは聞いていましたが、自社のお客様に実際どれだけいるのかまでは分からなかった。それが傾向として見えてきました。

予約経路が分かれば、セールスとして次にどこへアプローチすべきかの判断材料になります。これまでは商談会などで断片的に情報を得るしかありませんでしたから、実態を掴めるのは大きいですね。

 ― ホテル業界ではOTAの口コミ分析も一般的です。ホンネPOSTとの違いは、どのあたりにあるとお考えですか。

庄子様:OTAの口コミとホンネPOSTは、そもそも目的が違うものだと捉えています。

口コミは、これから予約を検討する方に向けて書かれるものです。世間に向けた評価ですから、どうしても評価目線になりますし、口コミへの返信対応も、予約を検討されるお客様との重要な接点として取り組んでいます。そちらはそちらでしっかり行っています。予約につながる大事な業務です。一方で、日々の返信対応に加えて、集まった投稿を分析し、次の施策につなげるところまで取り組むには相応の工数がかかります。日々の返信対応だけでも相応の量がありますし、集まった投稿をどうまとめるかとなると、また別の話になってきますから。

一方ホンネPOSTは、お客様がホテルに向けた素直な言葉で書いてくださる。世間ではなく、対応してくれたスタッフの顔を思い浮かべながら書く。評価するというより、伝える感覚に近いんだと思います。だから直接は言いづらかったことや、ちょっとした気づきまで出てくる。

ホンネPOSTでは、事業に活きる本音を引き出せるように、戦略的に問いかけを設計します。旅の旅程、比較していた他のホテル、予約経路など、口コミでは知り得ない情報も狙って取得することができる。

かといって、選択肢から選ばせるわけではありません。問いかけるテーマを定めたうえで、自由に語ってもらう。そうした自然体の言葉からインサイトを可視化し、構造化する。口コミがこれから予約を検討する方に向けた情報だとすれば、ホンネPOSTは事業の意思決定に使うための情報です。そこが一番の違いだと思います。

💡「評価する場」と「伝える場」では、出てくる言葉が変わる 

口コミは、画面の向こうの不特定多数へ。評価目線が入り、よく見られたい気持ちや躊躇いといったノイズも混じります。ホンネPOSTは、対応してくれた担当者の顔を思い浮かべながら、その店舗やホテルへ。この「相手の顔が浮かぶ匿名性」が、言葉を攻撃ではなく「伝える」に変えます。だから、直接は言いづらかった本心も、ちょっとした気づきも、ポジティブ・ネガティブ両方が届きます。

数か月のラグが、翌朝へ。声が社内を巡り、意思決定の根拠になる

― 日々、どのように声を確認されていますか。

庄子様:毎朝8時に、前日の投稿分がメールで届きます。出社してパソコンを開くと、もう昨日の声が入っている。始業前の準備をしている時間帯なので、そのまま目を通せるんです。わざわざ確認しに行く必要がないので、日々の業務の流れの中で自然と読む習慣がつきました。以前は回収から共有まで数か月かかることもありましたから、そこは大きく変わりましたね。

町田様:私も同じですね。朝来て、届いているものを見る。そこから一日が始まります。

庄子様:客室は本館・南館・プレミアグランで分かれているので、館ごとの傾向も見えます。最近は他部署から「南館のコメントだけまとめてほしい」「朝食の参考にしたいので、朝食に関する声を抽出してほしい」といった依頼をもらう機会なども、少しずつ増えてきています。

― 社内での受け止め方にも、変化はありましたか。

庄子様:フィードバックは、内容もさることながら「誰が伝えるか」で受け取られ方が変わります。社内の担当者が現場に直接伝えると、同じ社内の人間だからこそ、素直に受け取りにくい面がある。お互いにプロとしての矜持がありますから。

その点、第三者が分析した結果であれば、「お客様の声としてそう出ているなら」と受け止めてもらえる。同じ内容でも、伝わり方が変わるんです。

そうしたことが重なって、「お客様の声を起点に考えよう」という発想が少しずつ根付いてきました。最近は「施策の根拠が欲しいので、声を聞きたい」という相談も入ってきます。

定着してきた理由は、やはり内面が分かるからだと思います。口では「おいしかったです」とおっしゃっても、実際にどう感じているかまでは分からない。お客様の感情のディテールが見えるようになったことが大きいですね。

― 今後、収集した声をどのように活かしていきたいとお考えですか。

庄子様:客室への導入を役員に説明した際も、VOCを起点にサービスを改善する文化を定着させたい、という話をしました。いまは私のところに相談が集まる形ですが、最終的にはそれぞれの部署が自分たちで声を読み、判断できる状態が理想です。

そのためには、声を見ることが義務にならないほうがいい。「こんな声が届いていた」と、みんなが自然と話題にする状態のほうが、結果的に長く続くと思っています。

町田様: 使い道としては、大きく二つあると思っています。

一つは、ソフト面の答え合わせです。全社でサービスレベルの向上に取り組んでいますが、それが実際にお客様に届いているのかどうかは、これまで確かめる手立てがありませんでした。清潔さが保てているか、お客様にお声掛けできているか。そうしたことが、接客へのお褒めの言葉という形で返ってきています。逆に、一部のハード面についてはまだ十分でない、ということも見えてきました。

もう一つが、中長期の投資計画です。改装には大きな費用がかかりますので、優先順位をつける根拠が要ります。同じ箇所について繰り返しお声をいただいていれば、それは判断材料になる。社内で「ここまで踏み込んで提案していいのか」と迷う場面でも、これだけの声が届いています、と示せるようになりました。

― 最後に、顧客の声の活用やOTAの口コミ分析に悩んでいる、他のホテルの皆様へメッセージをお願いします。

庄子様:そもそもの話になりますが、「今、本当に知りたいこと(課題)を、お客様に聞けているか」と一度立ち止まって考えてみるのもいいのかなと思います。「口コミ分析は一応やっている」というお話はよく聞きます。ただ、日々届く声を眺めているだけでは、そこから次に進むのはなかなか難しいのではないでしょうか。

自分たちが「いま本当に知りたいこと」を能動的に設計して問いを投げると、良くも悪くも自分たちの良いところと課題が鮮明に見えてきます。「うちの強みはここだよね」と思っていたけれど、「実は違うところにあったんだ」ということも往々にしてある。自分たちの強みや本当の課題を掴むには、こうして自分たちで問いを立てるのが一番だと思っています。

町田様:導入前は「本当にお客様は書いてくれるのかな」と少し不安に思っていました。でも実際には、こちらが知りたかったこと以上のものが返ってきています。やってみて初めて分かることが、こんなにあるんだなと。

お読み頂き、ありがとうございました!
ホンネPOSTの導入にご興味をお持ちいただいた方はこちらからお問い合わせください。