今回は、京王井の頭線・吉祥寺駅直結の商業施設「キラリナ京王吉祥寺」様における、フロアリニューアルにおける来館者満足度の効果測定を目的とした「ホンネPOST」の導入事例をご紹介します。 形式的なアンケートなど既存の調査手法にこだわらず、より目的に沿った方法を検討していた同施設。ホンネPOSTの導入を通じて8日間で480件ものリアルな声を集め、施設に対するお客様の率直な評価やキラリナへの愛着を改めて実感する結果となりました。導入に至るまでのリアルな葛藤や、集まった声から見えてきた施設の価値、そして今後の展望について、京王SCクリエイションの宮内さんと中埜さんにお話を伺いました。京王SCクリエイション商業施設運営事業部 (左から)宮内さん・中埜さん課題・目的・9階のフロアリニューアルにともない、お客様の反応や施設全体への波及効果などを探りたい。・単なる満足度の数値ではなく、お客様が“なぜそう感じたのか”まで読み取れる、温度感のある声を収集したい。導入の決め手・調査感を抑えた親しみやすいクリエイティブで、お客様の自然な声を集められる。・設問設計から伴走しながら、“任せきりでも、丸投げでもない”ちょうど良い距離感での支援。効果・8日間で482件の声が集まり、リアルな顧客インサイトが可視化された(平均55文字、累計26,316文字)・施設への「愛着」や「居場所」としての価値がお客様の言葉から見え、施設運営の自信に繋がった。リニューアルを契機とした顧客理解の必要性―今回の来館者調査を実施しようと思った背景や、課題感を教えてください。 これまで、決まった形での継続的な調査はしておらず、2〜3年に一度のペースで調査会社等に依頼をしたアンケート調査を行っていました。ただ、いずれもその時々の企画や課題に応じた単発的な調査が中心で、継続的に顧客理解を蓄積していくような運用にはなっていませんでした。 また、ポップアップなどのイベントの振り返りとしてアンケートを実施することもありましたが、いずれも1分程度で終わる簡易的なもので、「なぜそう感じたのか」といった背景や感情までは十分に見えづらい部分もありました。 そうした中、2025年11月に9階フロアリニューアルを実施したことをきっかけに、お客様がどのように受け止めているのか、また商業施設全体の回遊や利用体験にどのような波及効果が生まれているのかを、しっかり検証したいと考えるようになりました。2025年11月21日にSHARE LOUNGEキラリナ京王吉祥寺が9階にオープン―ホンネPOSTのサービス説明を聞いて、どのような印象を持ちましたか? もともと担当になる以前の2024年に、ホンネPOSTを活用して来館者調査を行ったことがあり、その時の評判は耳にしていました。そして今回、商業施設でどのような調査を実施すべきか検討していたタイミングで、改めてはこぶんさんとお繋ぎいただきサービスを紹介してもらったのがきっかけです。 第一印象は、お客様に案内するカードなどのクリエイティブがとても親しみやすく、「これなら構えずに手に取ってもらえそうだな」と感じました。一般的なアンケートのような“調査感”が強すぎず、多くのお客様に自然に参加してもらえるイメージが持てたのは大きかったです。 とはいえ、不安がなかったわけではありません。これまで実施してきた定量アンケートとはアプローチや考え方が異なるため、「自由記述中心のデータが、本当に改善や意思決定の根拠になるのか?」「件数がそもそも集まるのか?」「件数が集まったとしても、内容の質は担保できるのか?」という懸念は正直ありました。 また、最初は「お客様の"ご意見"を集めるサービス」という印象も強く、"調査"として必要な情報をきちんと拾えるのか、単なるクレームが集まる『ご意見箱』になってしまわないか、という疑問もありました。―そうした懸念もあった中で、導入を決断された理由は何だったのでしょうか?比較検討の中では従来通りGoogleフォームを活用する案もありました。ただ単に回答数を集めるだけではなく、「リニューアル後のキラリナをどのように感じているのか」を、できるだけ解像度高く把握したいという想いがあったのと、これまでの形式的なアンケートでは、そもそもお客様に関心を持ってもらえず、なかなか答えていただけないといった悩みがありました。そうした中で印象的だったのが、「こちらが用意した質問に答えさせる」のではなく、「お客様が“言いたいこと”を、自分自身の言葉で伝えてもらう」という、ホンネPOSTの考え方でした。そうして自然に集まった声を読み解いていくことで、自分たちが当初想定していなかった発見や、本当に見るべきポイントまで見えてくるのではないか。単なるアンケートではなく、“顧客理解そのもの”につながる可能性を感じたことが、導入の決め手になりました。💡「答えやすさ」ではなく「伝えやすさ」の設計が本音を引き出すポイント💡ホンネPOSTでは、決められた設問に回答してもらうのではなく、お客様自身が「言いたい」と感じたことを、自身の言葉で自由に書ける設計を大切にしています。一般的なアンケートのような“調査感”をできるだけ抑え、「ちょっと伝えてみようかな」と自然に感じられる導線をつくることで、率直で温度感のある声が集まりやすくなっています。リアルタイムに届く480件の声が教えてくれた施設の価値――導入までのプロセスで印象的だったことはありますか? これまで、外部のツールやサービスを導入する際、結果報告を受けるだけでその後の活用がうまくできず消化不良で終わってしまったり、我々だけで実施しようとすると効果的なアンケート設計ができず、不安に感じることもありました。その点、ホンネPOSTでは、意図を組んで設計を行ってくれたり、活用できる形まで定性情報をインサイトまで落とし込んでくれる、程よいバランスの伴走支援が非常にありがたかったです。 ただ単にツールを提供するだけではなく、キラリナとして何を知りたいのかを丁寧にヒアリングを行っていただき、設問を組み立ててもらえたので、“既製のアンケート”ではなく、自分たちの施設に合わせた調査設計をしてもらえたこともとても良かったです。 また、導入開始後も回答状況を見ながら都度コミュニケーションを取り、設問調整などにも柔軟に対応いただけたことで、運用面でも非常に進めやすかったです。―実際に集まった声を見てどんなことを感じましたか? まず、お客様の声をリアルタイムで確認できる ダッシュボードの存在が大きかったです。従来は、アンケート終了後に報告書やExcelでまとめて振り返る形だったので、日々リアルタイムでお客様の生の声を見られるというのは魅力的でした。 毎日メールで投稿内容が共有される仕組みもあり、「ちゃんと声が集まっている」という安心感やライブ感がありましたね。 そして今回は8日間で480件、最大455文字・平均55文字/累計で約26,000文字もの声が集まりました。実は開始前、「回答が集まらなかったらどうしよう」という不安もあったのですが、初日から予想以上に多くの投稿が届き、本当に驚きました。また、お褒めの言葉や前向きなリクエストが想像していた以上に多く、キラリナへの愛着が感じられるコメントに素直に嬉しくなりました。普通のご意見箱では絶対に見られないような、エモーショナルで表現豊かなコメントまであって、ホンネPOSTでなかったらこう言った声を集めることはできなかったと思います。今回の取り組みを通じて、9階フロアのリニューアルが単なる改装ではなく、お客様との関係性そのものに変化を生んでいたことを実感でき、確かな手応えも得ることができました。【実際にホンネPOSTに寄せられた声:コメント内の一部のみ抜粋】生活のリズムとしても、キラリナの9階のスターバックスで休憩をすることが増えました。それによってキラリナに来る頻度が高まり、他の書店へ行くよりも、7階の本屋さんに足を運ぶ回数が生活の中で増えています。 何より、キラリナ9階がとても活気が出た感じがして、キラリナ自体に行く回数も格段に増えました。バスに乗ってここに来ることが最近の楽しみのひとつです吉祥寺に行くのが楽しくなりました。時間ある時はエスカレーターで下りながら他の店舗を覗いて今まで知らなかったお店を堪能しています。 もちろん「もっとこうしてほしい」「ここが惜しい」といったご要望の声もありましたが、それらも決してネガティブなクレームではなく、「もっとキラリナを利用したいから言ってくれている」という前向きな内容がほとんどでした。お客様にとってキラリナが一回限りで通り過ぎる場所ではなく、「また来たい」と思ってもらえる場所として機能しているのだと実感できたことは大きな収穫です。声の奥にある「インサイト」を読み解く重要性―ホンネPOSTで得られたデータを、今後社内でどのように活かしていきたいですか? 本格的な活用はこれからですが、まずはお客様から良いと言っていただいた部分はしっかりと心に留めて残していきたいと思っています。そして、お客様からの声に応え、より良くなった姿をお見せしていきたいです。 一方で、集まった声を具体的なアクションに落とし込むことの「難しさ」も実感しています。 例えば、「ゆっくりできる飲食店やレストランが欲しい」「席数が少ない」といったご要望は非常に多いのですが、商業施設のハード面の制約上、今すぐ新しい飲食店を作ったり席数を大幅に増やすことは物理的に難しいのが現実です。 だからこそ、「お客様はなぜそう言っているのか?」という、声の奥にある本当のインサイト(顧客心理)を考えることが一番重要なのだと気づかされました。 そういった本質的なニーズを探るためにも今後は「クロス分析」にも挑戦したいです。例えば、スターバックスを利用するお客様とシェアラウンジを利用するお客様では、属性や利用目的が異なります。それぞれの顧客層がどんな回答をしているのかを掛け合わせて分析したり、テナント様を巻き込んだ改善アクションにも繋げていきたいですね。―最後に、導入を検討している企業へメッセージをお願いします。 商業施設を運営していると、どうしても「お客様のご意見」はネガティブなものばかりという印象があったり、どうしても「改善すべき点」に意識が向きやすく、「何が支持されているのか」を改めて言語化する機会は意外と少ないと感じています。しかし今回、ホンネPOSTを通じて「最近キラリナに来る回数が増えた」「吉祥寺に行くこと自体が楽しくなった」といった声から、自分たちが想像していた以上に、施設が日々の暮らしの中に入り込んでいたことを実感できたのは大きかったですね。「お客様に刺さっているポイント(当施設の良さ)」を可視化できたことで、日々の施設運営に確かな自信を持つことができました。そうした「自分たちの良さ」や「なぜここに足を運んでくれているのか」といった “選ばれる理由” を知ることができるいいきっかけになったと感じています。 また、運用面でも自分たちの課題に寄り添って一緒に伴走してもらえるので、顧客の声の集め方や施設の価値の再定義に悩んでいる他の施設様などにも、ぜひおすすめしたいです。―お二人ともありがとうございました。商業施設として「選ばれる理由」や「愛着」を可視化できた今回の取り組みは、私たちにとっても大変意義深いものでした。お客様の等身大の声をもとに、今後さらに魅力的な施設へとアップデートしていく道のりを、引き続き全力でサポートさせていただきます!お読み頂き、ありがとうございました!ホンネPOSTの導入にご興味をお持ちいただいた方はこちらからお問い合わせください。