地域スポーツへの協賛は、地域社会の活性化やブランドイメージの向上など、企業にとって大きな意義を持っています。一方で、多額のコストをかけながらも、その定性的な効果を可視化して社内で共有しきれず、悩みを抱える企業も少なくありません。愛知県、岐阜県を中心に交通・生活インフラを支える名古屋鉄道株式会社(以下、名鉄)も、長年さまざまなスポーツ協賛を行ってきた中で、「協賛がもたらす本当の価値を、社内全体で深く共有したい」という想いを抱えていました。その想いを実現する第一歩となったのが、2025年の中日ドラゴンズ冠試合「名鉄×WAO!デー」と、それに続く2026年のファイティングイーグルス名古屋(以下、FE名古屋)の冠試合での「ホンネPOST」導入です。従来は見えなかったファンの熱量、そして社内の意識を大きく変えることとなった「生の声」の力について、名鉄広報部ブランディング担当の皆様(佐伯様・長永様・加地様)にお話を伺いました。名古屋鉄道株式会社広報部ブランディング担当(左から)佐伯さん・長永さん・加地さん課題・目的・スポーツ協賛の効果検証が定性的にできていなかった・担当者の肌感だけでなく、客観的な「投資の判断材料」を求めていた導入の決め手・名鉄×WAO!デーで証明された「ホンネを引き出す」確かな実績・設問設計、現場導線、デザイン制作、分析まで一貫したスピーディーな伴走効果・累計17,000文字超の熱量高い声が集まり、協賛の定性的な価値を可視化 ・報告資料に「色や温度」が乗り、社内の合意形成がスムーズになったスポーツ協賛の見えなかった本当の価値と葛藤―まずは、スポーツ協賛の効果測定ツールとして「ホンネPOST」を導入された背景について教えてください。最初の導入は2025年の中日ドラゴンズの冠試合「名鉄×WAO!デー」でしたね。 はい。当社はこれまで地元の複数のスポーツチームに長年スポンサー提供を行ってきました。ただ、スポーツ協賛がもたらす定性的な効果は数値化しにくく、社内全体でその真価や意義を深く共有しきれていないというもどかしさもありました。社内に「ブランディング」を専門とする組織が2024年に新設されたことで「スポーツ支援と企業イメージには明確な相関関係がある」という見立てのもと、ただ支援するだけの姿勢から、「支援の意義を正しく伝え、ブランド価値の向上に生かしていく」フェーズへと大きくシフトしたのですが、その際に最大のハードルとなったのが「協賛の効果測定」です。ファンのリアルな反応をファクトベースで把握し、スポンサー活動の妥当性を客観的なデータとして社内に提示する必要がありました。長年協賛を継続してはいるものの、ファンの皆様がどれほど喜んでくださっているのかという『リアルな熱量』を、担当部署以外が肌で感じる機会が少なかったこともあり、その熱量を見える化し、社内にしっかりと届けたいという想いから、まずは2025年の中日ドラゴンズの冠試合で「ホンネPOST」を導入させていただきました。―実際に中日ドラゴンズの冠試合で導入してみて、どのような手応えがありましたか? まず率直に感じたことは、『こんなにたくさんの声が集まるんだ!』という驚きと喜びでした。集まったデータを見ると、次の施策に活かせるような内容だったり、温かいコメントが溢れていたりして、その後社内で協賛の価値を説明する際にも、『お客様の生の声』が非常に強い説得力を持ったという、大きな成功体験になりました。―中日ドラゴンズとFE名古屋では、ファンの層やチームの特性も異なると思いますが、FE名古屋への協賛においては、どのような課題感や目的があったのでしょうか? FE名古屋さんとは、これまでも冠試合を行ってきていました。ただ、せっかくの冠試合をブランド価値向上に最大限有効活用しきれていないのではないか、という課題を感じていたんです。そんな中、Web調査で、名鉄がFE名古屋さんを協賛していることを『知ってくれている人』は、名鉄グループに対して非常に高い好感度を持ってくれていることが分かってきました。バスケットボールは野球ほどメジャースポーツではないかもしれないけれど、すごくコアで熱量の高いファンがいらっしゃる。冠試合でホンネPOSTを使ってファンの声を拾えば、その熱量も含めて可視化できるのではないか?と期待したのが今回2回目となった導入の背景です。また、調査において特に重視したのは、「バスケの試合観戦自体の感想」ではなく、「名鉄の冠試合企画や名鉄ブランドに対する印象」の把握です。「名鉄の企画があったことで、いつもより観戦体験が楽しくなった」といったポジティブな上振れ体験や期待感を引き出し、協賛の価値とスポーツ観戦体験の親和性がもたらす波及効果を検証することが重要なミッションとなりました。伴走型サポートと圧倒的なスピード感。ダッシュボードで可視化されたファンの熱量―導入プロセスの進めやすさやサポート体制についてはいかがでしたか? FE名古屋冠試合でのホンネPOST導入では、キックオフから本番まで約1ヶ月とかなりタイトでしたが、設問の設計から、現場での導線づくり、フライヤー等のデザイン制作、そして収集データの感情分析・レポーティングまでを一貫してサポートしてくださるので、非常にやりやすかったです。他の調査会社さんですと、アンケート設定とデザイン制作が切り離されていたりすることもありますが、上流から下流まで一気通貫で、しかもスピーディーかつ柔軟に対応していただけたことは、他社サービスにはない大きな価値だと感じました。また、通常のアンケートだと、どうしても「運営側が聞きたいことを設問形式で答えてもらう」ものになりがちですが、ホンネPOSTの、お客様の「自由な気持ち」を記してもらうアプローチは画期的でしたし、私たちが知りたい項目を組み込みつつ、お客様がいかに回答しやすいかという視点で設問を設計していただき、大変勉強になりました。クリエイティブ面でも観戦の“余韻”の中でそのまま言葉にしてもらうことをテーマに、徹底的な工夫を凝らしていただき、冠試合らしい楽しさと親和性を持たせ、観戦の高揚感のまま自然と思いを届けたくなるようなコミュニケーションツールへと昇華させてくれました。また、アンケート以外の知見も蓄積されていて、幅広い知識の中で戦略的なサポートをしていただけるところは、はこぶんさんの強みだと感じています。―実際に集まった「生の声」を見て、率直にどのようなことを感じられましたか? まず、投稿内容の圧倒的な「熱量」に驚きました。自由に書いてもらうスタイルにしたことで、「こんなにも人は湧き出る感情を言葉にしたいんだな」と驚かされるほど、長文で想いを書いてくださる方がたくさんいらっしゃいました。(名鉄×WAO!デーでは最大834文字、FE名古屋冠試合では最大419文字)非常に熱量の高いコメントが多く、応援ハリセンに当たりシールを仕込んだ企画や、車掌の制服を着た選手たちの花道演出など、名鉄ならではの冠試合企画を心から楽しんでいる様子が鮮明に描かれていて、スポーツファンの思いの強さを改めて実感しました。 前回の中日ドラゴンズ冠試合でのホンネPOST導入時と同じように、私たちの協賛に対するポジティブなお声もたくさん届き、「自分たちが取り組んできたことは外れていなかったな」と答え合わせができたような気持ちでした。担当者としても、お客様の生の声が見られるのは率直に嬉しいですね。―集まったテキストデータの分析機能やダッシュボードの使い勝手はいかがでしたか? ダッシュボードや感情分析AIは素晴らしい機能だと思います。数万文字のコメントをすべて読むのは大変ですが、感情ごとにカテゴリー分けして全体感を見せていただけるので非常に使いやすかったですし、社内への報告用に要約やサマリーまで事前に用意していただけたので、間接的な業務コストの削減にも繋がりました。運用期間中も『声が届きましたよ』というメール通知が来る設定にしていただいたおかげで、出勤中に『あ、今日も来てるな』とリアルタイムで熱気を感じることができました。また、「分析の質と、データが出てくる速さ」も高く評価しています。せっかく調査してもレポートが上がってくるのが1ヶ月以上後になってしまっては社内の温度感も下がってしまうので、非常にスピーディーに対応いただき、活用までできる形に整えてシェアいただけたことは本当に助かりました。💡声は「鮮度が命」。スピーディーなレポーティングで活きた打ち手へ💡声は届いた瞬間がいちばん鮮度の高い状態です。時間が経つほど記憶も熱量も薄れていくため、ホンネPOSTでは収集完了のタイミングから、感情分析・レポーティングまで約2週間で完了させます。協賛の本当の価値の共有と、名鉄グループが描く未来―FE名古屋冠試合のホンネPOST分析結果を社内に共有された際、どのような反響がありましたか? これまではお客様の満足度などを見える化し、社内で共有することができていませんでした。しかし、ホンネPOSTで集めたお客様のリアルな言葉を伝えることで、報告資料に「色」や「温度」が乗り、報告を聞く側の表情も明らかに変わるんです。お客様の声を可視化することで、社内での協賛効果への理解が深まり、次のアクションに向けた合意形成が圧倒的にスムーズになりました。これこそが、VOC(Voice of Customer)の本当の良さだと実感しました。ファンの皆様が直に『満足した』『名鉄が協賛してくれて嬉しい』と声を届けてくださったことで、企画している私たちも嬉しいですし、社内全体でスポーツ協賛の意義を深く再確認することができました。―ファンの皆様からは、リクエストも届いていましたね。今後の展望をお聞かせください。 はい。ファンの方が求めている『会場外での体験拡張』という課題も見えてきました。今後は、ファンの皆様に『名鉄グループ全体で地域スポーツを応援し、地域を盛り上げているんだ』という姿勢やメッセージを、より密度高く届けていきたいですね。―今回の取り組みを受けて、他部署やグループ会社での活用も検討されていると伺いました。 そうですね。今回の取り組みを経て、スポーツ協賛・ブランディング部門だけでなく、他の事業部や小売などの名鉄グループ各社でも、この仕組みを活用できるのではないかと思っています。多様な顧客接点を持つ名鉄グループだからこそ、広くお客様の声に耳を傾ける仕組みを展開していける手応えを感じています。―最後に、スポーツ協賛の効果測定や顧客リサーチに悩む他企業へのメッセージをお願いします。 スポーツ協賛に限らず、お客様からの「本当の価値」を見える化できていないと悩んでいる企業は多いと思いますが、そこを見える化し、『こんなにも喜んでくれている人がいるんだ』という価値に気づけることは、事業において非常に大きな意味を持ちます。私たちがかつて悩んでいたように、『地域スポーツに協賛しているけれど、その定性的な価値を見える化できていない』という企業様には、ホンネPOSTを活用して、お客様の生の声に耳を傾けることから戦略を練る。その重要性をぜひ体感していただきたいです。単なるアンケートツールの比較という次元ではなく、お客様の生の声に真摯に耳を傾けるための『事業戦略のパートナー』としてホンネPOSTを捉えていただくと、見えてくる世界が大きく変わるはずです。私たちとしても、非常に高水準でクイックに伴走してくれるサービスとして強くお勧めしたいですね。―ありがとうございました。中日ドラゴンズ、そしてFE名古屋の冠試合を通じて手にしたのは、単なるアンケートの集計結果ではなく、ファンのリアルな声を通じて協賛の価値を社内で共有し、次なるアクションへと繋げるための重要な指標となったのではないでしょうか。守ってきた価値を大切にしながらも、新しい改善やファンづくりのきっかけとして活用されている姿は、まさに私たちが目指す「顧客の声を起点とした組織づくり」の理想形です。今後さらにファンとのつながりが深まり、より多くのお客様に愛されるブランドへと進化していくことを、とても楽しみにしています。お読み頂き、ありがとうございました!ホンネPOSTの導入にご興味をお持ちいただいた方はこちらからお問い合わせください。