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【SC向け】商業施設アンケートの作り方|施設全体の声を集める進め方と活かし方を徹底解説

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2026/10/22

【SC向け】商業施設アンケートの作り方|施設全体の声を集める進め方と活かし方を徹底解説

「商業施設のアンケートを取っても、施設への評価なのか、テナントへの評価なのか分かりづらい…」
「結局、選ばれている理由も、離れていく理由も、なかなかつかめない…」

そんなお悩みはないでしょうか。

ショッピングセンターや駅ビル、複合施設の運営・販促のご担当者にとって、お客様の声は施設づくりの大切な手がかりです。
一方で、商業施設には「施設」と「テナント」という二重構造があり、アンケートを実施すると、テナントの接客や商品への感想が中心になってしまうことも少なくありません。
本当に知りたいのは、館内の居心地や回遊のしやすさ、イベントやリニューアルへの反応といった、施設全体の声だという方も多いのではないでしょうか。

また、他のショッピングセンターに行く理由が見えない、重めのクレームしか届かない、そもそもアンケートに協力してもらう接点をどうつくればいいのか分からない、といった悩みもよく聞きます。
商業施設のアンケートは、ただ作って配るだけでは、なかなか成果につながりにくいものです。
大切なのは、何のために・誰の声を・どんな接点で集めるのかを先に決めること、そして集めた声を運営やテナントとの取り組みに活かしていくことだと考えられます。

この記事では、商業施設でアンケートを行う目的から、難しいと言われる理由、基本の進め方、回答してもらう接点の考え方、活用事例、声を活かすコツまでを整理しました。
SC・駅ビル・複合施設の運営会社やデベロッパー、PM会社のご担当者にも参考にしていただける内容です。

ぜひ、最後までご覧ください。

商業施設でアンケートを行う目的

日々の運営改善につなげる

商業施設のアンケートで、もっとも身近な目的は日々の運営を良くしていくことです。
館内の案内は分かりやすいか、休憩できる場所は足りているか、混雑している時間帯や場所はどこか。
スタッフの目や数字だけでは気づきにくい点を、来館されたお客様の実感として確かめることができます。

こうした声は、満足度調査として定期的に集めることで、施設の状態を継続的に見守る手がかりにもなります。
気づいたことをその都度改善につなげられることが、商業施設のアンケートの大きな価値です。

商圏やテナント構成を見直す材料にする

アンケートは、どんな方が、どんな目的で施設を使っているのかを知る手がかりにもなります。
普段は何をしに来ているのか、どのくらいの頻度で来ているのか、他にはどんな施設を使っているのか。
こうした声は、商圏の見直しや、テナントの構成(MD)を考えるときの材料になります。

担当者の経験や感覚だけに頼らず、お客様の実際の使い方をもとに考えることで、施設としての方向性を社内や関係者に説明しやすくなるはずです。

リニューアルや周年の効果を確かめる

フロアのリニューアルや、周年のイベントなど、施設が節目を迎えたときの反応を知ることも、大切な目的です。
新しくなった場所は、お客様にどう受け止められているのか。
周年の取り組みは、どのくらい楽しんでもらえたのか。

やってみて終わりにせず、お客様の受け止め方まで確かめることで、次の企画や改善の方向が見えやすくなります。
節目ごとに声を集めておくと、施設の歩みを振り返る材料にもなります。

商業施設のアンケートが難しい理由

商業施設のアンケートには、他の業種とは少し違う難しさがあります。
ここでは、担当者の方からよく伺う悩みを整理します。

施設とテナントの二重構造になっている

商業施設は、運営会社が管理する「施設」と、そこに入居する「テナント」で成り立っています。
お客様にとっては、同じ空間での体験でも、施設への評価とテナントへの評価が混ざって伝わりやすいのが特徴です。

たとえば、「店員さんの対応が良かった」という声は、テナントへの評価です。
一方で、運営側が知りたいのは、館内の居心地や、回遊のしやすさ、イベントの受け止められ方といった、施設全体への声かもしれません。
アンケートを検討している担当者の多くは、テナントではなく施設全体の声を集めたいと考えています。

選ばれる理由と離れる理由がつかめない

来館者数や売上の数字は分かっても、なぜ選ばれているのか、なぜ足が遠のいたのかまでは見えにくいものです。
数字は結果を教えてくれますが、理由まではなかなか教えてくれません。

選ばれている理由が分からないと、施設の強みを活かしきれません。
離れていく理由が分からなければ、手を打つこともできません。

他の施設に行く理由が見えにくい

お客様は、ひとつの施設だけを使っているわけではありません。
近くにある別のショッピングセンターや、駅ビル、ネット通販など、さまざまな選択肢の中から施設を選んでいます。

自分の施設に来ているお客様の声を聞くだけでは、他の施設に行く理由は分かりにくいものです。
どんなときに、どんな理由で他を選ぶのか。
そうした気持ちの端っこを知ることが、施設の魅力を考えるヒントになります。

重いクレームしか届かない

お客様の声は、コールセンターやお問い合わせ窓口にも寄せられています。
ただ、そこに届くのは、どうしても強い不満が中心になりがちです。

不満の声は大切ですが、それだけでは「何が喜ばれているのか」「どこに魅力を感じてもらえているのか」が見えてきません。
良い評価や、ちょっとした気づきも含めて声を集めることが、施設の姿を正しく知ることにつながります。

回答してもらう接点づくりが難しい

商業施設には、買い物や食事、休憩など、さまざまな目的の方が訪れます。
どのタイミングで、どこで、どうやって声を寄せてもらうかという接点づくりは、思った以上に難しいものです。

館内で声をかけると、買い物の邪魔になってしまうかもしれません。
かといって、来館後に連絡する方法では、そもそも連絡先を持っていないお客様も多くいます。
お客様の負担にならず、自然に気持ちを伝えられる接点を考えることが欠かせません。

お客様が自然に気持ちを伝えられる仕組み作りについては、ホンネPOSTの資料でも解説しています。下記からダウンロードして是非参考にしてみてください。

最初に決めたい施設全体の声か取り組み別の声か

施設全体の声は運営改善と商圏分析に使う

アンケートを始める前に、どんな声を集めたいのかを整理しておくことが大切です。
大きく分けると、施設全体の声と、取り組みごとの声があります。

施設全体の声は、日々の運営改善や、商圏の分析、テナント構成を考えるときの材料になります。
館内の使いやすさや居心地、来館の目的など、施設そのものへの評価を知りたいときに向いています。

取り組み別の声は販促やリニューアルの効果測定に使う

もうひとつは、販促キャンペーンやリニューアル、周年イベントなど、個別の取り組みへの声です。
この場合は、その取り組みがどう受け止められたのかを知ることが目的です。

「やってみてどうだったか」を確かめるために、取り組みのあとの短い期間に集めることが多くなります。
効果が見えると、次の企画や改善につなげやすくなります。

目的に合わせて聞く内容を整理する

目的が違えば、集めたい声も、集めるタイミングも、活かし方も変わってきます。
施設全体の声なのか、取り組みごとの声なのかを最初に決めておくと、あとの判断がぐっと楽になります。

また、テナントの評価と混ざってしまわないよう、「施設に対する声を聞きたい」という意図がお客様にも伝わる形にしておくと安心です。
目的がはっきりしていれば、集まった声をどう活かすのかも、あらかじめ想像しやすくなります。

商業施設アンケートの基本的な進め方

ここでは、商業施設のアンケートを進める基本の流れを、5つのステップで整理します。

ステップ1 目的と聞きたい相手を決める

まず、何のために声を集めるのかを決めます。
運営改善なのか、リニューアルの効果測定なのか、周年の振り返りなのか。
あわせて、どんなお客様の声を聞きたいのかも整理します。

日常的に来ている方、たまにしか来ない方、特定のフロアを使う方など、聞きたい相手によって集め方も変わります。
目的と相手がはっきりしていると、途中で迷いにくくなります。

ステップ2 実施する時期と期間を決める

次に、いつ、どのくらいの期間で集めるのかを決めます。
リニューアルや周年のイベントなら、直後の記憶が新しいうちに集めるのがおすすめです。
日常の運営改善であれば、季節やイベントの有無を考慮して、定期的に行う方法もあります。

期間が短すぎると、声が少なくなってしまうかもしれません。
長すぎると、お客様の記憶が薄れたり、担当者の負担が大きくなったりします。
目的に合わせて、無理のない期間を選んでみてください。

ステップ3 回答してもらう接点を考える

次に、お客様がどこで、どうやって声を寄せるのかを決めます。
館内に案内を置くのか、スマートフォンから伝えてもらうのか、会員向けの連絡手段を使うのか。

お客様の負担にならず、自然に目に入る場所を選ぶことが大切です。
具体的な考え方は、次の章であらためて整理します。

ステップ4 集めた声を整理する

声が集まったら、全体の傾向と、ひとつひとつの声の両方を見ていきます。
数字だけでなく、自由に書かれた声に目を通すことが大切です。

数字は全体の傾向をつかむのに役立ちますが、なぜそう感じたのかは、お客様の言葉の中にヒントがあることが多いためです。
また、来館頻度や年代など、声を寄せてくれた方の様子も、あわせて確認しておくと安心です。

ステップ5 運営やテナントに共有して動く

最後に、集めた声を運営の取り組みやテナントとの連携に活かします。
ここがもっとも大切なステップですが、後回しにされやすい部分でもあります。

声を、担当者の手元だけに置かず、運営チームやテナントにも共有し、次の取り組みを一緒に考えていくことが大切です。
具体的な活かし方は、後半の章でくわしく紹介します。

回答してもらう接点の考え方

館内で気づいてもらう場所を選ぶ

館内で声を集める場合は、お客様が足を止めやすい場所を選ぶことがポイントです。
たとえば、エントランスやエレベーターホール、休憩スペース、フードコート、お手洗いの待ち時間などが考えられます。

ゆっくり過ごしている場所のほうが、気持ちを伝えてもらいやすいといわれています。
ポスターやカードなどで案内し、「施設への声を聞かせてください」とはっきり伝えると、テナントの評価と混ざりにくくなります。

帰り道や自宅でも伝えられるようにする

館内で伝える時間がない方もいます。
そこで、スマートフォンで読み取れる二次元コードなどを使い、帰り道や自宅でも声を寄せられるようにしておくと、より多くの方に届きます。

その場でなくても、気持ちが整理できたときに伝えられることは、お客様にとって大きな安心です。
時間に余裕のない方や、買い物のあとに疲れている方にも、負担の少ない接点になります。

テナントに負担をかけない進め方

もうひとつ大切なのが、テナントのスタッフに負担をかけないことです。
レジでの声かけや、配布のお願いなどを頼みすぎると、日々の業務を圧迫してしまうかもしれません。

運営側が主体となって案内し、テナントには事前にお知らせしておくという形が、現実的です。
テナントにも「施設全体の声を集めて、あとで共有する」ということが伝われば、協力的な関係を築きやすくなります。

従来のアンケートだけでは見えにくい来館者の声

満足度の数字だけでは分からないこと

ここまで、商業施設のアンケートの基本をお伝えしてきました。
ただ、こうした一般的なやり方を丁寧に行っても、それだけでは見えにくい声があることも、多くの現場で感じられています。

たとえば、満足度が高いという結果でも、なぜ満足しているのかまでは分かりません。
満足していても、また来たいと思うかどうかは、別の話かもしれません。

なんとなくの奥にある来館の理由

お客様の中には、「なんとなく居心地がいい」「なんとなくここに来てしまう」という気持ちで通っている方が多くいます。
こうした気持ちは、あらかじめ決められた形に当てはめて伝えようとすると、こぼれ落ちてしまうことがあります。

担当者が想定していなかった魅力や、思いがけない期待は、こうしたうまく言葉にならない部分に隠れているのかもしれません。
来館の理由の奥にある本音に近づくには、決まった形に当てはめてもらうだけでは足りない場面があると言えます。

気軽に伝えられる入口が声を増やす

お客様が、自分の言葉で、自分のタイミングで、気軽に気持ちを伝えられる。
そんな入口があると、集まる声の量だけでなく、中身の深さも変わってくると考えられます。

匿名で伝えられる安心感や、「自分の声が届いている」と感じられる実感も、伝えたい気持ちを後押ししてくれます。
従来のアンケートと並行して、こうした入口を用意することは、施設全体の本音を集めるうえで有効な選択肢のひとつです。

リニューアル効果測定の活用事例(キラリナ京王吉祥寺さま)

9階のリニューアル後の反応を知りたい

京王SCクリエイションが運営するキラリナ京王吉祥寺では、2025年11月に9階フロアのリニューアルを行いました。
その後のお客様の反応を知るため、施設全体の声を集めることにしました。

従来のアンケートでは、「なぜそう感じたのか」というお客様の気持ちが十分に見えていないという思いがありました。
そこで、数字だけでなく、温度感のある声を集めたいと考えたそうです。

8日間で482件の声が集まった

来館者への案内は、カードなどを使って、施設内で直接行いました。
8日間の調査期間で、482件の声が集まっています。
初日から予想を上回る投稿があり、累計では約26,000文字、平均は55文字、最大では455文字の声が寄せられました。

短い期間でも、多くの声が自然に集まったことが分かります。
リニューアル直後という記憶の新しいタイミングで、気軽に伝えられる接点があったことが、声の数につながったと考えられます。

見えてきた来館者の気づきと今後

声を分析すると、「生活のリズムの中にキラリナが組み込まれている」ことが見えてきました。
「来館頻度が増えた」「吉祥寺に行くことが楽しみになった」といった前向きな声も多く寄せられています。

また、9階に新しくできた施設が、施設全体の回遊性を高めている様子も分かりました。
一方で、「席数が少ない」「飲食スペースを広げてほしい」といった要望も集まっています。

ホンネPOSTでは、気に入って応援してくれているが声をあげないお客様のことをサイレントファン、逆に不満があっても声を上げずに静かに離れていってしまうお客様をサイレントロス、合わせてサイレントカスタマーと呼んでいます。
キラリナでは、定期的に訪れているのに、これまで声が見えていなかったサイレントファンの存在が見えてきました。
サイレントカスタマーについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

担当者の方は、「自分たちの良さを可視化できたことで、施設運営に確かな自信が生まれた」と話しています。
今後は、集まった肯定的な評価を運営に反映しつつ、利用施設ごとの違いを見るクロス分析や、テナントを巻き込んだ改善にも取り組む予定です。

キラリナ京王吉祥寺の事例について、詳しくはこちらの記事でもご紹介していますので、あわせてご覧ください。

集めた声を施設運営に活かすコツ

運営改善にすばやく反映する

声が集まったら、できるだけ早く、目に見える形で改善につなげることが大切です。
たとえば、席数や案内表示、休憩スペースなど、すぐに手を打てるものから始めてみる方法があります。

小さな改善でも、お客様に「声が届いた」と感じてもらえることが、次の声につながります。
すべての要望にすぐ応えられなくても、「まずはここから始めます」と示すだけで、受け止め方は大きく変わるはずです。

テナントと共有して一緒に動く

集めた声は、施設全体の声として、テナントとも共有することをおすすめします。
お客様の評価を知ることは、テナントにとっても励みになり、施設とテナントが一緒に改善に取り組むきっかけになります。

もちろん、特定のテナントへの不満などを伝えるときは、伝え方に配慮することも大切です。
良い声も含めて共有することで、前向きな関係を築きやすくなります。

周年やリニューアルの振り返りに使う

周年やリニューアルのあとに集めた声は、施設の歩みを振り返るうえでも貴重な記録になります。
どんなことが喜ばれ、どんなことが課題として残ったのかを整理しておくと、次の企画や中長期の計画にも活かせます。

節目ごとに声を集め、少しずつ積み重ねていくことで、施設の強みと課題が、よりはっきり見えてくるはずです。

まとめ

商業施設のアンケートは、施設とテナントという二重構造のなかで、施設全体の声をどう集めるかがポイントになります。
目的や聞きたい相手を決め、お客様の負担にならない接点を選び、集めた声を運営やテナントとの取り組みに活かしていくことが大切です。

満足度の数字だけでは見えにくい本音には、気軽に伝えられる入口を用意することが、有効な選択肢のひとつです。
キラリナ京王吉祥寺さまの事例でも、リニューアル直後に声を集めたことで、これまで見えていなかったサイレントファンの存在と、施設の強みが見えてきました。

声を集めて、運営に活かして、テナントと共有し、また聞く。その循環をつくることが、選ばれ続ける商業施設づくりのいちばんの近道だと言えます。


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