お役立ち
2026/6/25

エステサロンを経営するオーナーの方や、店舗運営に携わるスタッフの方にとって、リピーターを増やし、安定した売上を築くことは最優先のテーマです。
フェイシャルケアや痩身、脱毛、リラクゼーションなど、施術のジャンルは多岐にわたり、お客様にとっての選択肢がかつてないほど広がっている現代のエステ業界において、技術力や価格だけで選ばれ続けることはますます難しくなっています。
そこで多くのサロンが、お客様の生の声を収集して施術やサービスの改善に活かそうと、さまざまな形でお客様アンケートを実施しています。
しかし実際の現場では、多くのエネルギーを注いでいるにもかかわらず、思うような手応えが得られないという声が後を絶ちません。
本記事では、エステサロンにおけるお客様アンケートの意味や基本的な手法、具体的な作成手順と設問事例から、多くのサロンが直面しやすい悩みとその乗り越え方まで、網羅的に解説します。
この記事を読み終える頃には、単なる満足度の数字集めを超えた、サロンのファン化とリピート率向上に直結するアンケートのあり方が見えてくるはずです。
ぜひ、最後までゆっくりとご覧ください。

エステサロンにおいて、お客様の声を知ることは、競争が激化する美容業界を生き抜き、通い続けてもらえるサロンを作るために、もはや欠かせない経営の基盤となっています。
アンケートを行う最も基本的な意味は、サロン側では気づきにくいお客様のリアルな体験を、客観的なデータとして把握することにあります。
施術中の圧の強さが適切だったか、カウンセリングの内容に満足いただけたか、施術室の温度や香りは心地よかったかといった細かな体験の質は、スタッフ自身や売上データからは見えてきません。
アンケートを通じてお客様の主観的な感想を言語化してもらうことで、改善が必要なポイントを早期に発見し、施術クオリティとサロン体験全体の底上げへと繋げることができるのです。
エステサロンの経営においては、リピーターのお客様がサロンの売上を支えているケースがほとんどです。
しかし、定期的に通ってくれていたお客様が突然来なくなった理由や、逆に他のサロンがある中でなぜ自店を選び続けてくれているのかという本当の理由は、スタッフが直接尋ねるだけでは浮かび上がりにくいものです。
アンケートという第三者的な接点を設けることで、お客様が直接スタッフには言いにくい本音の感情を安心して表現できる場が生まれます。
「なぜ選ばれているのか」「なぜ離れていくのか」、その両方の声をしっかりと把握することが、サロンの持続的な成長に欠かせない視点なのです。
アンケートがもたらす効果は、サロンの改善だけにとどまりません。 お客様から寄せられる感謝やお褒めの言葉は、日々施術に向き合うエステティシャンにとって何より大きな励みになります。
どのスタッフの対応がお客様の心に届いたのか、どんな気遣いが喜ばれたのかが言葉として可視化されることで、スタッフ一人ひとりのエンゲージメントが高まり、サービスの質がさらに向上するというポジティブなサイクルが生まれます。
アンケートの結果をスタッフ全員でリアルタイムに共有できる環境を整えることが、このサイクルを回す鍵となります。
どのような属性のお客様が、どのような悩みや目的でサロンを訪れているのかを把握することは、集客施策の精度を大きく高めます。
サロンを知ったきっかけがSNSなのか、知人からの紹介なのか、あるいは検索エンジンからの流入なのかを分析することで、費用対効果の高い集客チャネルを特定することができます。
また、お客様が実際に使った言葉をそのままSNSの投稿や広告のコピーに活用することで、見込み客の共感度が格段に上がり、新規集客の強力な武器にもなります。

お客様の声を効果的に集めるためには、エステサロンという業態の特性や、お客様の来店動線に合わせた最適なチャネルを選ぶことが大切です。
エステサロンには、他の店舗とは異なる特徴があります。
施術前に必ずカウンセリングを行い、お客様の体調や肌の状態、お悩みを丁寧に確認するという接客のプロセスです。
このカウンセリングシートの中にアンケート項目を自然に組み込むことで、お客様に特別な負担をかけることなく、初回来店時の基本的な情報を収集することができます。
さらに施術後のリラックスした状態で、簡単な感想アンケートを手渡しする形が、エステサロンにおける紙アンケートの王道の運用スタイルです。
紙のアンケートは、記入したその場で回収できるためデータの鮮度が高く、お客様の感情が残っているタイミングでリアルな声を引き出しやすいのが最大の強みです。 一方で、集まった用紙を手作業で集計・データ化する手間がかかるという課題もあります。
施術後にLINEやメールでアンケートのURLを送ったり、受付にQRコードを設置してお客様のスマートフォンから回答してもらうWEB形式のアンケートも、近年多くのサロンで導入が進んでいます。
回答データがリアルタイムで自動集計されるため、集計作業の手間が大幅に削減されるのが大きなメリットです。
また、回答完了後にサロンの公式LINEのお友だち追加画面や、次回予約のページへとスムーズに誘導できるため、リピート施策との親和性が非常に高い手法です。
ただし、退店後の時間が経ってから送られてくるアンケートは、施術直後の新鮮な体験の記憶が薄れてしまっているため、表面的な回答になりやすいという側面も持っています。
また、お客様にわざわざスマホを取り出してQRコードを読み取ってもらう必要があるため、回答へのモチベーションが高くなければスルーされてしまうリスクも抱えています。
定期的にサロンに通ってくれているロイヤルカスタマーを対象に、施術後のリラックスした状態などで対話を通じてじっくりと話を聴く手法です。 アンケートの短い記述欄では引き出しきれない、サロンへの愛着や通い続ける理由の細やかなエピソードを、会話の中から自然に引き出すことができます。
新しいコースメニューを開発する際や、サロンのコンセプトを見直すタイミングなど、深いインサイトが必要な場面で特に有効な手法です。
ただし、実施には相応の時間とコストがかかるため、日常的なデータ収集には向かず、特定の目的に絞って活用するのが現実的です。

エステサロンのアンケートを実際の経営改善に繋げるための、基本的な4つの手順を解説します。
アンケートを作り始める前に、まず「今回の調査で何を知りたいのか」というゴールを決めましょう。
「施術の満足度を知りたい」「なぜリピートしてくれているのかを探りたい」「接客への印象を確認したい」など、目的によって聞くべき設問はまったく変わってきます。
目的が曖昧なまま、とりあえず思いつく質問を並べてしまうと、設問数が増えすぎてお客様の負担になるだけでなく、集まったデータから何も見えてこないという結果になりがちです。 一度のアンケートで複数の目的を詰め込みすぎず、まずは最も知りたいテーマに絞ることが大切です。
設定した目的と、来店されるお客様の層に合わせて、紙のアンケートにするかWEBアンケートにするかを選択します。
エステサロンならではの重要なポイントとして、アンケートを配布するタイミングの設計があります。
施術後にアフターカウンセリングやコースのご提案がある場合は、商談が終わってから渡すようにするなど、オペレーションの流れに自然に組み込む工夫が必要です。 お客様の体験の記憶が最も鮮明で、サロンへの印象が高まっているタイミングに届けることが、質の高い回答を集めるための基本です。
目的が定まったら、それを達成するために必要な設問を、お客様が直感的に答えられる形式で作成していきます。
エステサロンのアンケートにおいて特に重要なのは、施術前のカウンセリングシートで収集した情報と重複しないようにすることです。
すでに把握しているお客様の情報をわざわざ再度聞くことは、お客様にとって手間なだけでなく、「このサロンは自分のことをちゃんと覚えていない」という印象を与えてしまいます。
初回のお客様には、基本的な属性やサロンを知ったきっかけ、来店の動機をメインに、施術後の感想はシンプルな数問にとどめましょう。
リピーターへのアンケートは、なぜ通い続けているのかという愛着の理由を深掘りする設計にすることで、より価値の高いデータが得られます。
どれだけ優れたアンケートを作成しても、現場のスタッフが一貫して自然に案内できる仕組みがなければ、回収率は上がりません。
どのタイミングで誰がアンケートを渡すのか、回答してもらえたらどのようにお礼を伝えるのか、といった流れをマニュアル化し、スタッフ全員が同じ基準で動けるようにすることが大切です。
アンケートの目的と意義をスタッフ全員が理解し、形式的な作業としてではなく、お客様との大切な接点として捉えられるかどうかが、回収率と回答の質を左右します。

エステサロンのアンケートにはどのような設問が効果的なのか、初回来店時とリピーター向けに分けて具体的な事例を解説します。
・お客様の属性と来店動機
年代や性別といった基本情報に加えて、当サロンをどのようにして知っていただいたか(SNS、知人の紹介、検索エンジン、街中の看板など)を確認します。 どの集客チャネルが機能しているかを把握することで、今後の宣伝や広告投資の判断材料になります。
・来店のきっかけと期待していること
数あるサロンの中からなぜ当サロンを選んでいただいたのか、そして今日の施術に対してどのような結果や体験を期待しているのかを自由に書いてもらいます。 この設問への回答は、カウンセリングの精度を高めるためにも非常に役立ちます。
・施術後の第一印象
実際に体験した施術や接客、サロンの雰囲気に対するシンプルな感想を答えてもらいます。 質問数を絞ってシンプルにすることが、初回来店直後の回答率を高めるコツです。
・通い続けている理由の深掘り
他のサロンではなく当サロンにリピートしてくださっている理由を、できるだけ具体的に書いてもらいます。 「担当スタッフの技術が信頼できる」「予約が取りやすい」「施術後の肌の変化が実感できる」など、お客様自身の言葉で語られた愛着の理由は、サロンの強みを特定するための最も価値ある情報です。
・サービスへの改善要望や新しいメニューへの期待
長く通ってくださっているお客様だからこそ気づいている、サロンへの小さな不満や「こうだったらもっと良いのに」という声を拾います。 改善要望は、次回来店時に実際に対応することでお客様の信頼感を大きく高める機会にもなります。
・お店の雰囲気・設備・空間への評価
施術室の清潔感や温度、香り、BGMの音量など、リラクゼーション体験の質を左右する空間要素への評価を確認します。 エステサロンのお客様は、施術の効果と同時に「その時間そのものの心地よさ」を求めていることが多いため、空間体験への評価は非常に重要な指標です。
・また来たいか、紹介したいか
最後に、次回の来店意欲や知人への紹介意向を確認します。 この数値が高いほど、サロンに対するロイヤルティが強く、自然な口コミによる新規集客が期待できる状態にあることを意味します。 定点観測することで、サロン全体の健康状態を継続的に把握するための重要な指標となります。

多くのメリットがある一方で、多くのサロンが以下のような共通の壁にぶつかって挫折してしまうケースが少なくありません。
エステサロンにとってアンケートの回収率を上げることは、実は非常に難しい課題です。
施術後のお客様は心身ともにリラックスした状態にあり、そこに多くの設問が並んだアンケートをお願いすることは、心地よい余韻を壊してしまいかねません。
また、コースのご提案や次回予約の案内など、施術後のオペレーションが多いサロンでは、アンケートの案内が後回しになり、忙しいお客様には「また今度でいいか」と流されてしまうことも多いのです。
回収率が低迷すると、分析に必要なサンプル数が集まらず、一部の声だけでサロン全体の実態を判断するという危険な状態に陥ってしまいます。
回収率の問題を乗り越えて多くの回答が集まったとしても、その中身が「良かったです」「また来ます」といった表面的な内容に偏ってしまうことも多いです。
自由記述欄はほぼ空白、評価はすべて真ん中の「普通」、といった回答では、具体的な改善のアクションには繋がりません。
人間は、改まって調査の場に直面すると、無意識のうちに波風の立たない無難な回答を選んでしまう心理的な傾向があります。 「アンケートに答えている」という意識が強くなるほど、お客様の本当の感情からは遠ざかってしまうのです。
アンケートへの回答は、強い不満を抱えたお客様か、あるいはサロンに非常に強い愛着を持つお客様に偏りがちです。 最もボリュームが多く、実はサロンを支えてくれている「普通に満足している大多数のお客様」の声が、なかなか表に出てこないという深刻な課題があります。
このサイレントカスタマーの中には、何も言わずに他のサロンへ移ってしまう「サイレントロス」と、実は密かに気に入ってリピートしてくれているものの、SNSや口コミには声を出さない「サイレントファン」の両方が存在しています。
このどちらの声も拾えていない状態では、サロンの本当の実態を把握することは非常に困難です。
サイレントカスタマーについてはこちらの記事でも解説しています。

日々届くお客様の声を手作業で集計し、課題を分析してレポートにまとめるのは、施術と接客に忙しい現場にとって大きな負担です。
集計に時間がかかることで、データが出来上がった頃には「もう次のシーズンが始まっている」というタイムラグが生まれ、せっかく集めたデータが経営の現場で活かされないまま眠ってしまうことになります。

ここまで解説してきた課題を乗り越え、実際のサロン経営に変化をもたらすアンケートを設計するために必要な視点を解説します。
多くのサロンが直面しているアンケートの課題の根本には、「お客様に調査に答えてもらう」という発想そのものの問題があるかもしれません。
設問の数や形式を工夫する前に、そもそもお客様はなぜアンケートに答えることをためらうのかという心理を理解することが先決です。
お客様がアンケートに答えない理由は、面倒だからというだけではありません。
「改まって聞かれると、本音ではなく無難なことしか言えない」「スタッフに見られているような気がして正直に書けない」などの心理的なバリアが存在しています。 答えやすくすること以上に、お客様が「自分の気持ちを自然に伝えたい」と思えるような状況を設計することが重要なのです。
エステサロンには、他の業種にはない大きな特徴があります。 それは、お客様が施術を通じて心身ともに解放され、非日常のリラクゼーション体験の中にいるという状況です。
そのような特別な時間の中に、無機質なアンケート用紙をいきなり差し込んでしまうことは、サロンが丁寧に作り上げてきた世界観を一瞬で壊してしまうことになりかねません。 アンケートそのもののデザインや伝え方を、サロンのブランドの世界観と一致させることが大切です。
こだわりのインテリアや香りで満たされた空間の延長線上に、サロンらしい温かみのある言葉でお客様に語りかけるカードを置く。 アンケートに答えること自体が、心地よいサロン体験の一部として感じられるような設計にすることで、お客様の回答へのハードルは大きく下がります。
お客様の感情やサロンへの印象が最も豊かに動いているのは、施術を体験しているまさにその時間とその直後です。
施術後の余韻に包まれている状態で自然に声を聴ける導線を用意することが、表面的な回答ではなく、その瞬間のリアルな気持ちを引き出す最大のポイントです。
退店後に送られてくるメールや、数日後に届くLINEでは、施術の細かな記憶はすでに薄れており、どうしても抽象的な感想になってしまいます。
鮮度の高い体験の声を、お客様にストレスを与えない形でいかに拾えるかという導線の設計が、アンケートの質を左右するのです。
従来のアンケートは、設問に対して回答者が答えを埋めるという一方向のコミュニケーションです。
しかしエステサロンにとって本当に価値があるのは、お客様が「このサロンなら正直に気持ちを伝えたい」と感じて自発的に声を届けてくれる状態を作ることです。
お客様が回答者として答えを義務的に記入するのではなく、サロンへの気持ちを自分の言葉で自然体で伝えられるような心理的な設計を取り入れること。
この視点の転換こそが、これまでのアンケートでは見えてこなかった、サイレントカスタマーの本音を引き出す鍵となります。
「今のアンケートで本当にお客様の本音が集まっているか?」と問い直してみることが、サロン改善の次のステップへの入口になるはずです。

エステサロンにおけるお客様アンケートは、施術の技術力やサービスを磨き続け、選ばれ続けるサロンを作るために欠かせない経営の武器となります。
本記事で解説した手法や手順、設問の事例を参考に、まずは始めてみてください。
しかし、従来のアンケートの枠組みをそのままに、設問を整えたり回収のタイミングを変えるだけでは、どれだけ丁寧に運用しても、お客様の本当の気持ちや小さな本音には辿り着けないことがあるのも現実です。
大切なのは、アンケートという手段そのものよりも、「お客様が自分の気持ちを自然に伝えたくなる状況をどう作るか」という設計の思想を変えることです。
なぜ選んでもらえているのか、なぜ静かに離れていくのか——その両方の声を正確に拾えた時、サロンの経営は確実に次のステージへと進みます。
今のアンケートのままでは、本音が集まっていないかもしれないと感じたなら、お客様との向き合い方そのものを見直すタイミングかもしれません。
お客様の本音の引き出し方や、アンケートの活用の仕方がわからないとお悩みなら…
アンケートは、項目を並べるだけなら誰でも作れます。
しかし、選択肢の作り方一つ、質問の順番一つで、顧客の回答は簡単に偏ってしまいます。
また、本当に難しいのは「集まった回答をどう分析し、どう次の打ち手に活かすか」なのです。
「回答は集まったけれど、結局どこを改善すればいいか分からない……」
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