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飲食店の顧客分析完全ガイド|RFM・ABC分析などの手法・お客様の声の活かし方を解説

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2026/7/14

飲食店の顧客分析完全ガイド|RFM・ABC分析などの手法・お客様の声の活かし方を解説

「売上データは毎日確認しているのに、なぜか客足が伸び悩んでいる…」
「アンケートをとってみても、普通や特になしばかりで、次に何をすればいいかわからない…」

飲食店を経営するオーナーや店舗担当者の方から、こうした悩みをよく耳にします。
POSデータや売上の数字を見れば、何がいついくら売れたかという結果はわかります。
しかし、なぜそのお客様が来てくれたのか、なぜ来なくなってしまったのかという理由は、数字だけでは見えてきません。

本記事では、飲食店における顧客分析の基本的な考え方から、現場で使えるRFM分析・ABC分析などの主な手法、そして多くの飲食店が見落としがちな「お客様の声の活かし方」まで、網羅的に解説します。

ぜひ、最後までゆっくりとご覧ください。

1. 飲食店における顧客分析とは?

顧客分析の目的と重要性

顧客分析とは、自店のお客様に関するデータを収集・整理し、お客様がどのような人で、どのような理由で来店し、どのような体験をしているのかを深く理解するための活動です。

飲食業界は競合の増加と顧客ニーズの多様化が進んでおり、「おいしい料理を出せば来てくれる」という時代はとうに終わっています。 年齢・性別・来店頻度・注文内容・滞在時間といったデータを組み合わせて分析することで、これまで感覚に頼っていた判断を数値で裏付けることができるようになります。 その結果、どのお客様層に・どのような施策を・どのタイミングで打つべきかという経営判断の質が、大きく変わってきます。

売上データだけでは見えないもの

多くの飲食店では、日々の売上・客数・客単価といった数字は把握できています。 しかし、数字はあくまでも「結果」であり、その裏にある理由は教えてくれません。

なぜそのお客様はリピートしてくれているのか。なぜ先月まで来てくれていたお客様が急に来なくなったのか。なぜ料理への評価は悪くないのに、なんとなく来店頻度が落ちてきているのか。

こうした「なぜ」の部分を明らかにすることこそが、顧客分析の本当の目的です。 売上データの分析と、お客様の声の収集を組み合わせてはじめて、経営改善につながる「使えるデータ」が手に入るのです。

2. 飲食店が顧客分析に取り組むべき理由

リピーターを増やし、売上を安定させる

新規のお客様を一人獲得するコストは、既存のお客様に再来店してもらうコストの数倍かかると言われています。 顧客分析によって、自店のリピーターがどのような層なのか、どのくらいの頻度で来店しているのか、何をきっかけに通い続けてくれているのかを把握することで、既存のお客様との関係をより深める施策を打てるようになります。

リピーターを一人ずつ丁寧に育てていくことが、広告費に頼らない安定した売上の基盤を作ることに直結します。

「なぜ選ばれているのか」「なぜ離れていくのか」を知る

顧客分析で最も重要なのは、自店が「選ばれる理由」と「去っていく理由」の両方を正確に把握することです。

選ばれる理由がわかれば、その強みをさらに伸ばしてプロモーションに活かすことができます。 去っていく理由がわかれば、離脱を未然に防ぐための改善を先手で打つことができます。

しかし、この両方の理由は売上データや口コミだけでは見えてきません。 お客様自身の言葉から直接引き出してこそ、初めて経営に使えるデータになるのです。

勘や経験に頼らない経営判断ができるようになる

長年の経験を持つ店長やオーナーであっても、感覚だけに頼った判断には限界があります。 ファクトベースのデータを経営判断の根拠として持つことで、新メニューの開発・価格改定・スタッフ配置・販促施策のすべてにおいて、再現性のある意思決定ができるようになります。

また、本部と現場・スタッフ間での課題共有もデータがあることでスムーズになり、社内の議論にかかる無駄なコストを削減できるというメリットもあります。

3. 顧客分析に使えるデータの種類

顧客分析を始めるにあたって、まずどのようなデータを集められるかを整理しておくことが大切です。

POSデータ・売上データ

最も基本的なデータです。日別・時間帯別・曜日別の売上・客数・客単価を把握することで、店舗の「今」をクリアに見ることができます。 どの時間帯に誰が来て、何を注文しているかという傾向をつかむだけでも、メニュー構成や人員配置の改善につながる多くのヒントが得られます。

ただし、POSデータはあくまでも「何が起きたか」という結果のデータです。「なぜそうなったのか」という理由は、他のデータと組み合わせてはじめて見えてきます。

予約・来店履歴データ

予約システムや会員アプリを通じて蓄積される来店履歴は、お客様の来店頻度・直近の来店日・累計来店回数などを把握するための貴重なデータです。 「先月まで毎週来ていたお客様が、今月は一度も来ていない」という変化をいち早くキャッチできるのが、来店履歴データの最大の価値です。

離脱の予兆を早期に発見し、クーポンや案内を送るなどの先手を打つことで、サイレントロスを防ぐことができます。

アンケート・お客様の声

POSデータや来店履歴だけでは見えない、お客様の感情や行動の背景にある理由を明らかにするためのデータです。 「なぜ来てくれているのか」「何に満足しているのか」「どこに小さな不満を感じているのか」という、数字には表れない顧客の声が、経営改善の最も重要なヒントになります。

ただし、アンケートの設計次第で集まる声の質は大きく変わります。この点については、後のセクションで詳しく解説します。

SNS・口コミデータ

GoogleマップやSNSに寄せられる口コミは、自店の評判を把握するための参考情報として活用できます。 ポジティブな口コミに共通する自店の強みを把握したり、ネガティブな口コミから改善すべき課題を特定したりすることができます。

ただし、口コミに書き込みをするのは、強い感動か強い不満を感じたお客様に偏りがちです。 他者に見られることを意識した表現になるため、お客様の素直な本音とは異なる内容になりやすいという側面も持っています。 口コミはあくまでも補助的な参考情報として捉え、過度に一喜一憂しないことが大切です。

4. 飲食店で使える顧客分析の主な手法

収集したデータをどのように整理・分析するか。飲食店の現場でよく使われる主な分析手法を紹介します。

RFM分析|来店頻度・直近来店日・利用金額でお客様をグループ分けする

RFM分析は、以下の3つの指標でお客様をグループ分けする分析手法です。

  • R(Recency):最後に来店したのはいつか

  • F(Frequency):どのくらいの頻度で来店しているか

  • M(Monetary):累計でどのくらいの金額を使ってくれているか

この3つのスコアを組み合わせることで、優良な常連客・来店頻度が落ちてきている離脱予備軍・一度きりの新規客などのグループに分類できます。

それぞれのグループに対して最適なアプローチを設計することで、全員に同じクーポンを配るような一律の施策から脱却できます。 例えば、離脱予備軍のお客様には早めに「お久しぶりです」の案内を送り、優良顧客には感謝の気持ちを込めた特別な体験を用意するといった、きめ細かな対応が可能になります。

ABC分析|売れているメニューと売れていないメニューを整理する

ABC分析は、メニューを売上貢献度の高い順に並べて3つのグループ(A・B・C)に分類する手法です。

一般的に売上の約80%はメニュー全体の約20%が生み出している(パレートの法則)と言われており、ABC分析によってどのメニューが経営の柱になっているかを明確に把握できます。

売上に貢献しているAグループのメニューはさらに強化し、貢献度の低いCグループのメニューは見直すという判断を、感覚ではなくデータに基づいて行うことができます。 また、バスケット分析(よく一緒に注文されるメニューの組み合わせを分析する手法)と組み合わせることで、客単価アップのためのセットメニュー開発にも活用できます。

デシル分析|売上への貢献度でお客様を10グループに分ける

デシル分析は、お客様を累計利用金額の高い順に10等分(デシル1〜10)に分けて、各グループの売上への貢献度を把握する手法です。

RFM分析と似ていますが、よりシンプルに「上位何パーセントのお客様が売上の何パーセントを占めているか」を把握するのに向いています。 自店の売上を支えている本当のコア層がどこにいるのかを可視化することで、そのお客様層に向けた重点的な施策を設計できます。

3C分析|顧客・競合・自社の3つの視点で経営を整理する

3C分析は、以下の3つの視点から自店の経営環境を整理するフレームワークです。

  • Customer(顧客):自店のお客様はどのような人で、何を求めているか

  • Competitor(競合):競合店はどのような強みを持っているか

  • Company(自社):自店の強みと弱みは何か

この3つを整理することで、競合との差別化ポイントと、自店が注力すべき方向性が明確になります。 顧客分析で得た「選ばれる理由」のデータを3C分析のCustomerの欄に落とし込むことで、より精度の高い経営戦略を立てることができます。

5. 顧客分析の結果を経営改善に繋げる方法

データを集めて分析するだけでは、顧客分析の本来の価値は発揮されません。分析結果を実際の経営改善に落とし込むことが大切です。

優良顧客・リピーター層へのアプローチ

RFM分析で特定した優良顧客層には、感謝の気持ちが伝わる特別な体験や、他のお客様には提供しない限定の案内を届けることで、さらに深いロイヤルティを育てることができます。 「いつもありがとうございます」という気持ちが伝わる接点を意識的に設けることが、常連のお客様との関係を長期的に維持するための鍵です。

離脱しそうなお客様への早期フォロー

来店頻度が落ちてきているお客様に対して、離脱が完全に起きる前に先手を打つことが重要です。 「最近お見えになっていませんが、またぜひ来てください」という案内を適切なタイミングで届けることで、サイレントロスを未然に防ぐことができます。

ただし、このアプローチが効果を発揮するためには、お客様がなぜ来なくなったのかという理由を把握していることが前提になります。 理由がわからないままクーポンを送っても、的外れな施策になってしまうリスクがあります。

メニュー開発・販促施策への活用

ABC分析の結果を活用して、売れているメニューの共通点を分析したり、売れていないメニューの改善方向を検討したりすることができます。 また、お客様の声から得られた「こんなメニューが欲しい」「あの料理をまた食べたい」というリアルな声を、新メニュー開発や季節限定メニューの企画に直接活かすことで、お客様目線に立った打率の高い商品開発ができるようになります。

6. データ分析だけでは見えない「お客様の声」の重要性

ここまで解説してきた分析手法を実践しても、「なかなか改善の方向性が見えてこない」という壁にぶつかる飲食店は少なくありません。 その原因の多くは、数字の分析だけでは見えない「お客様の本音」が把握できていないことにあります。

数字の裏にある感情や理由は数値では拾えない

POSデータや来店履歴は、お客様の「行動」を記録したものです。しかし、その行動の背景にある感情や理由は、数値では一切見えてきません。

例えば、ある常連のお客様の来店頻度が月4回から月1回に落ちたとします。 データ上は「来店頻度が減少した」という事実しかわかりません。 それが料理への不満なのか、スタッフとの関係性なのか、店内の居心地の問題なのか、はたまた単に生活環境が変わったのかは、データからは読み取れません。

経営の改善に本当に必要なのは、数字の変化ではなく、その変化を生み出したお客様の感情や理由です。

サイレントカスタマーの声が届いていない

顧客分析において最も見落とされがちな課題が、「サイレントカスタマー」の声が届いていないことです。

アンケートに回答してくれるのは、強い不満を持つお客様か、非常に強い愛着を持つお客様のどちらかに偏りがちです。 最もボリュームが大きく、実は飲食店の売上を支えている「普通に満足している大多数のお客様」の声は、なかなか表に出てきません。

このサイレントカスタマーの中には、何も言わずに静かに他店へ移ってしまう「サイレントロス」と、実は気に入ってリピートしてくれているもののSNSや口コミでは声を出さない「サイレントファン」の両方が存在しています。

サイレントファンの声が届けば、自店が選ばれている本当の理由がわかります。 サイレントロスの声が届けば、離脱を引き起こしている小さな違和感をいち早くキャッチできます。

この両方の声を拾えない状態では、どれだけ精度の高い数値分析を行っても、改善の方向性がズレてしまうリスクがあります。

サイレントカスタマーについてはこちらの記事でも解説しています。

アンケートの活用とその限界

お客様の声を集めるためにアンケートを実施している飲食店は多くあります。 しかし、アンケートを実施しているのに「普通」「特になし」ばかりの回答で使えるデータが集まらないと感じている方も少なくないのではないでしょうか。

実は、人間は改まってアンケートを依頼されると、無意識のうちに波風の立たない無難な回答を選んでしまう心理的な傾向があります。 設問の選択肢に答えを当てはめるという行為そのものが、お客様の直感的な本音を遠ざけてしまっているのです。

「答えやすいアンケート」を作ることと、「本音が集まるアンケート」を作ることは、まったく別の話です。 設問の数を減らしたり、選択式にしたりといった工夫は回収率の向上には有効ですが、それだけでは集まる声の「深さ」は変わりません。

本当に経営改善に繋がるデータを集めるためには、「答えやすくする」より「伝えやすくする」という発想の転換が必要です。 お客様が回答者として義務的に答えるのではなく、自分の言葉でお店への気持ちを自然に伝えたくなるような設計を取り入れることで、これまで見えてこなかったサイレントカスタマーの声が届くようになります。

今のアンケートや数値分析だけで、本当にお客様の声を把握できているかどうかを問い直してみることが、顧客分析の次のステージへの入口になるはずです。

7. まとめ

飲食店における顧客分析は、RFMやABCといった手法でデータを整理・活用することが出発点です。 本記事でご紹介した手法を参考に、まずは自店にあるデータを整理するところから始めてみてください。

しかし、数値データの分析だけでは、お客様が本当に何を感じているかという「理由」の部分には辿り着けません。 売上データ・来店履歴・アンケート・お客様の声を組み合わせてはじめて、経営改善に直結する「使えるデータ」が揃います。

特に、何も言わずに去っていくサイレントカスタマーの声をどう拾うかが、これからの飲食店経営において最も重要な顧客分析の課題になっていきます。 「普通のアンケートでは本音が集まらない」と感じているなら、お客様の声の集め方そのものを見直すタイミングかもしれません。

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アンケートは、項目を並べるだけなら誰でも作れます。
しかし、選択肢の作り方一つ、質問の順番一つで、顧客の回答は簡単に偏ってしまいます。
また、本当に難しいのは「集まった回答をどう分析し、どう次の打ち手に活かすか」なのです。

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