大規模イベントで効果的に来場者の「生の声」を収集する実証実験、感情分析で約1ヶ月の業務効率化も期待
大規模イベントで効果的に来場者の「生の声」を収集する実証実験、感情分析で約1ヶ月の業務効率化も期待
渋谷区

渋谷区産業観光文化部文化振興課は、渋谷区内の文化施設の管理・運営やイベントの主催、都市交流・国際交流など、区民の文化活動の支援に関する業務を担う部署です。渋谷区最大規模のイベントである「くみんの広場 ふるさと渋谷フェスティバル」では、文化振興課が渋谷区くみんの広場実行委員会事務局の運営を務めています。
今年で46回目を迎える歴史あるフェスティバルは、近年コロナ禍をきっかけに、オンライン開催やキッズエリアの拡充など新しいことにチャレンジする中で、「来場者は何を一番楽しみに来てくれているのか?」「若いファミリー層にキッズエリアは満足してもらっているのか?」といった、イベント内容に対する来場者満足度の効果測定ができていないという課題がありました。
その課題を解決するため、渋谷区のグローバル拠点都市推進室が行うスタートアップ支援事業である、官民連携オープンイノベーション企画「Innovation for New Normal from Shibuya」を通じた実証実験プロジェクトとして、第46回ふるさと渋谷フェスティバル(2023年11月開催)で、ホンネPOSTを活用した来場者アンケートを実施しました。
今回、実証実験の流れや導入後の変化などを、文化振興課の大西係長、安孫子さん、グローバル拠点都市推進室の瀬野さんにお話をお伺いしました。

課題・目的 | ・来場者の「フェスティバルの来場動機・目的」を改めて知りたい |
|---|---|
実証実験の決め手 | ・設問アンケートでは出てこない「生の声」が聞ける |
効果 | ・2日間で約900件の声が集まった(最大732文字) |
―ホンネPOSTで実証実験を行う前、来場者の声収集にどのような課題を感じていましたか?
ふるさと渋谷フェスティバルは2023年で46回目を迎え、来場者はご年配の方が多い印象だったのですが、コロナ禍の2020年に初めてオンライン開催を実施したことで、意外と若い世代にも参加してもらえていることがわかりました。そこをきっかけに、2022年からキッズ・スポーツコーナーを設置して、若者・ファミリー等といったこれまでアプローチできていなかった新しい層の来場促進にもチャレンジをしています。そういった変革期の中で、来場者の生の声からニーズをしっかり捉え、オペレーションの改善や次回以降の開催内容へ活用する必要性を感じていました。ただ、これまでフェスティバルでは来場者アンケートは行っていなかったので、どうやろうかと方法を探っていたところでした。

―ホンネPOSTのサービス説明を聞いて、どのような印象を持ちましたか?
「ありそうでないサービス」という印象でした。最初に自由記述で好きに意見を書いてもらうというのがとても新鮮でした。通常のアンケートといえば、こちらが聞きたいことを設問形式で答えてもらうものだという認識だったので、来場者が言いたいことを自発的に伝えてもらい、その中から顧客インサイトを導き出すという、従来とは真逆のアプローチは目から鱗でした。その分、通常の設問アンケートだったら出てこない来場者の本音が聞けるのでは?という期待感を持ちました。
また、これまでの導入案件で作成しているポップやフライヤーなどのデザイン事例も興味深く拝見しました。単なるアンケート調査用紙ではなく、イベントの特長をとらえたユニークなデザインで記念に持ち帰りたくなるような仕掛けを通じて、帰宅後も思い出してもらえるようなフックポイントを作るなど、ツール以外のアプローチ方法もしっかり設計してくれるところがホンネPOSTの魅力だと思いました。ふるさと渋谷フェスティバルのフライヤーデザインも、フェスティバルの歴史と特徴をしっかり入れ込み、細部までこだわりを持って作ってもらえて嬉しかったです。

💡デザインのこだわり💡 |
|---|
46年変わらぬ「ワクワク」の思い出と、世代を超えた”ふるさと渋谷”の原点をテーマに、フェスティバルのアーチをワクワクしながらくぐる家族視点で描き、ファミリー層に自分事として振り返ってもらいやすくする、また帰宅後も思い出してもらいやすいフックポイントにして回答促進に繋げる仕掛けとしました。 |
―ホンネPOSTの実証実験実施の決め手はなんですか?
来場者の声を聞く目的としては、自分たちが気付けていない良い所も悪い所も、とにかく率直な意見を聞いてオペレーション改善やイベント内容に活用するということで、私たちのやりたいことに対して、ホンネPOSTのアプローチがとても合理的だったので、まずはやってみたいなと思えたことが一番の決め手でした。
―ホンネPOSTの実証実験スタートまではスムーズでしたか?サポートはどうでしたか?
アンケート作成は初心者だったのですが、来場者への認知方法や現場で配布するフライヤーのデザイン案、設問設計などを提案してもらい、タスク管理も全てやってもらえたので、スピード感をもってとてもスムーズに進められました。毎回の打ち合わせで資料を必ず作って進めてもらえるので助かりましたし、上流設計から現場実務のオペレーション設計まで、前年度のマップや過去の情報をヒアリングしてもらって意図などを汲み取って提案してもらえるのが凄く良かったです。
アンケートと言われると、どうしても沢山聞きたいことがあって大量の設問を作ってしまいがちですが、別のやり方(自由記述で顧客インサイトを引き出す)があるという発想や、質の高い声を集めるための知識やノウハウにも感心しましたし、私たちの意識改革にも繋がりました。

―ホンネPOST実証実験後、どんな結果や気づきを得られましたか?
2日間で約900件の様々な声が集まり、最大700文字を超える投稿もありました。
感情分析で、集まった声を「好意的な点」「改善の余地がある点」にカテゴリ分類して順位化して集計してもらえたことで、良い声も悪い声もはっきりと可視化されていたので、まるで成績表をもらう気分でした。
気付いたこととして、来場者の大半は渋谷区外の方だと予想していたのですが、回答者の属性を見ると約半数が渋谷区民の方だったのには驚きました。元々「区民が集える場所を作りたい」という想いで始まったイベントなので、区民の方も楽しみに来てくれている方が沢山いるのだと改めて認識できて良かったです。また、近年力を入れていた若者・ファミリー層向けのキッズ・スポーツコーナーの反応も可視化できたり、今までは現場の様子から、何となくの感覚でしか掴めなかった満足度の評価が、具体的な数値ではっきりと測定できるのが良かったです。世代を超えて楽しんでくだっている方も多く、改めて46回続いているイベントとしての歴史と重みを感じられました。
【 実際に寄せられた声 】
生まれ育った街で、半世紀近く続くイベントに参加できて嬉しく思います。自分が小学生時代に鼓笛隊として参加した時から30年の時を経て、自分の子供と一緒に参加させていただくことができ、イベントに尽力くださった皆様に感謝です。また、会場案内やマップ、ブースの場所が分かりづらいといった声や、人気コンテンツの待機列問題などの声も多く、来年度に向けた反省と課題として運営改善のヒントも見つかりました。その他、大人向けスタンプラリーが欲しいなどの意見もあり、謎解きのような老若男女問わず大人も子供も楽しめるような企画もいつかやれたら良いなと思いました。

―来場者の声可視化は、イベント運営にどのような影響を与えましたか?
従来はイベント終了後、事務局の担当者が約1か月ほどかけて出展事業者や運営関係者を通じて来場者の反応やフィードバックを集めてから全体の振り返りMTGを行い、そこから来年開催に向けて話し合っていく…という流れでした。しかし基本は運営側声を集めているので、来場者の直接の声は含まれていませんでした。今回のように、ホンネPOSTで来場者の生の声がタイムリーに集計できれば、振り返りMTGまでのリードタイムを約1か月ほど短縮でき、また業務効率化にも大きく繋がると感じました。
―今後ホンネPOSTをどのように活用できる可能性がありますか?また、自治体におけるどんなシーンでホンネPOSTを活用できると思いますか?
アフターコミュニケーション機能を活用して、渋谷区のイベント情報等を発信したり、来年やって欲しいイベントを投票機能で聞くといった活用方法も出来そうだなと思いました。
自治体で活用できるシーンとしては、今回のようなイベントでも勿論活かせると思いますが、まちづくりでも活かせそうだなと思いました。行政に対しての要望・お困りごとなどを住民の方達にフラットに聞くという手段としても良いかもしれません。
―ホンネPOSTのここがいいというポイントがあれば教えてください。
事業の成績表が見られることですね。時間と予算をかけて取り組んできた自分たちのチャレンジの答え合わせが出来ると思います。そして事前設計から分析まで一気通貫でサポートしてもらえるのが、業務効率化の観点からもとっても楽です!

―ありがとうございました。大規模イベントの来場者アンケートは難易度が高いシーンの1つですが、文化振興課の皆様のご協力もあり、多くの声を集めることができました。来年度以降の更なるフェスティバルのアップデートをとても楽しみにしています。

お読み頂き、ありがとうございました!
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